財産を持つと税金がかかる

やよいの青色申告 10

税金はそもそも社会を維持するための会費のようなもので、広く国民から徴収するにあたっては、多くの人が納得できるような課税のルールがなければならない。一番分かりやすいのは、全員一律つまり忘年会の会費のようにみんなから同じ金額を集めるというやり方ですが、貧富の差を容認する資本主義社会ではあまりに不合理です。そこで裕福な人ほどより高い割合で負担すべきだという「応能負担」という考え方があります。
裕福の度合いを何で測定するかは難しいですね。裕福の度合いを単一の指標で測定することは不合理なので、現在では「財産」「所得」そして「消費」のそれぞれにバランスよく課税することが適切だと考えられるようになりました。それぞれの代表的な税目は「固定資産税」、「所得税」そして「消費税」です。

償却資産は固定資産税

固定資産税は、以上のような考え方から、1月1日現在において固定資産を所有する人に対して毎年課税される税金です。固定資産と聞いて頭に浮かぶのは、土地、建物、車、器具備品などですが、土地と建物についてはわが国では登記制度が充実しており、そのほとんどについて所有者が特定されています。
そこで固定資産税を課税する市町村役場は、その登記情報に基づいて、毎年1月1日現在の所有者に対して課税することにしています。税金の計算の基礎となる評価額も役所が決定しています。同様に自動車についてもナンバー登録制度が万全ですから、自動車税という税目で黙っていても毎年課税されてしまいます。
ところが、企業が購入して使用するパソコンや机などの備品は、どこにも登録制度がありません。これらも明らかに固定資産なので課税したいのですが、このままではやりようがありません。
そこで事業者が所有する器具備品などについては、事業者からの申告によりその所有情報を収集することにしたのです。償却資産の申告とは、このような背景から、事業者が1月1日現在において所有する資産のリストを毎年1月31日までに報告することが求められています。
なお、申告するのは資産の名称と購入金額、耐用年数などであり、最終的な課税評価額は課税する市町村役場が決定します。固定資産税はあくまで賦課課税の税金だからなのです。

申告の考え方

上記資産のうち、一般的な企業が飛行機や釣り船を持つことはあまりないのでしょうから、通常の申告では「建物付属設備」と「器具備品」が代表的な申告資産となるはずです。つまり会社が備え付けている固定資産台帳に計上されている資産リストそのものです。
実際のところ、形が固定資産であっても購入代金が10万円未満のものついては法人税の計算において一括損金処理をする(すなわち経費として落として資産には計上しない)ことが認められています。そして、償却資産の申告においても、このような小額資産は課税対象とされていません。すなわち原則として、企業経理で資産に計上されるものが償却資産の課税対象になる、ということです。
では、会社が作成した固定資産台帳をそのまま提出すればいいかというと、残念ながらそういうわけにはいきません。なぜなら、固定資産台帳は会社の決算期つまり事業年度単位で作成されるのに対し、償却資産リストは課税の都合上あくまで1月1日現在のものでなければならないからです。
固定資産の管理をコンピューターソフトで行っているなら、最近のソフトウェアは決算用の台帳と償却資産申告用のリストの双方に対応しているものがほとんどなので、資産の品名、種類、取得年月日、耐用年数、購入金額などをデータ登録すれば、あとは自動的に双方の台帳がアウトプットされます。しかし手作業で管理している場合には、申告する年の1月1日現在で所有している資産をリストアップして申告資料を作成しなければなりません。

具体的な手続き

償却資産税は地方税なので、その申告は資産が所在する市町村単位で行います。たとえば本店が東京都千代田区にあり視点が埼玉県朝霞市にあるなら、各事務所または店舗にある資産ごとに、千代田都税事務所と朝霞市役所のそれぞれに申告することになります。
申告用紙は各市町村役場に用意されていますが、前述のように固定資産税は賦課課税の税金であるため、通常は役所から申告用紙が郵送されてきます。
初年度の申告は、所有する資産のすべてを「種類別明細書」という用紙に記入して提出しますが、2年目以降は「増減申告」といって、増えた資産はグリーンの用紙(増加資産用)に、売却または除却して減少した資産は赤い用紙(現象資産用)に記入して提出すればよいことになっています。ただしコンピュータで申告する場合は、毎年全資産申告をすることとされています。
資産明細書に記載する事項は、資産の種類(番号で記載)、資産の名称、数量、取得年月日、取得価額、耐用年数、増加の理由(新品取得、中古品取得など)です、明細書に記載した取得金額を資産の種類別に合計し、これを申告書本表に転記して提出します。
なお、償却資産をまったく所有していない、あるいは数十万円程度しかない場合には、市町村によっては葉書サイズの解答書を返送するだけでよいところもあります。

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免税点

償却資産には150万円という「免税点」があります。つまり課税評価額が150万円以下なら一切課税されないということです。ただし免税点は基礎控除ではないので、150万円を越えるとその全体に課税されます。償却資産の申告書を提出して納税額が発生すると、5月下旬に納税通知書が届き、同月から年4回に分けて納付する手続きとなります。